往年のヒット曲レビュー(17)/黛ジュン(1968年3作品)

2009年5月1日 / favorite CD

「黛ジュン」はもっともっと再評価されても良いのではないか?


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1967年2月にシングル「恋のハレルヤ」で登場。それまで演歌、ムード、青春歌謡が主力だった日本の歌謡界の大転換期を、黛ジュンがミニスカートで「恋のハレルヤ」を歌ってビート・ガールの時代を幕開き、かつその先頭に立って牽引した女性シンガー。独特のパンチの効いた歌声や楽曲の質の高さなど、どれを取ってもゆずれない魅力なのだ!


◇黛ジュン・歌手データ


黛ジュン(歌手)
本名:渡辺 順子
生年月日:1948年5月26日
出身:東京都調布市
実兄:作曲家・三木たかし


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(Wikipedia より抜粋)
中学卒業後、本名で各地の米軍キャンプにジャズ歌手として巡る。1964年に渡辺順子の名でデビューもヒットせずに1967年に黛ジュンと改名して「恋のハレルヤ」でレコード会社を変えて再デビュー。ミニスカートと共に、パンチの効いた歌声で、一気に注目を集める。1968年にリリースされた「天使の誘惑」はさらに大ヒットとなり、その年の第10回日本レコード大賞に輝いた。1967年から1968年の2年間で、レコード売上が500万枚を記録。自身の歌と共に、その歌が主題歌となった映画にも出演。「天使の誘惑」「夕月」では主演に抜擢、売れっ子女優にもなった。
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(goo音楽 より抜粋)
その後人気は低迷するが、80年には映画のイメージ・ソング「風の大地の子守唄」が久々にヒット。83年に三越事件をモデルにしたポルノ映画『女帝』に主演し話題を呼んだ。現在はディナー・ショウを中心にステージ活動を続けている。また私生活では恋多き女としても有名で、2回の離婚を経たうえ、最近では作詞家の里村龍一と入籍から2ヶ月で破局し、ワイドショウを騒がせた。
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レコードセールス的に、東芝三人娘(黛ジュン、奥村チヨ、小川知子)と呼ばれたように(それほど広くは浸透せず)、東芝の1960年代後半の邦楽稼ぎ頭に含まれていた黛ジュンだ。


オリコンチャート正式開始前の1967年1st「恋のハレルヤ」については売上が不明だが、感覚的には50~100万枚は売れたのでは。何しろ1967年~68年で「500万枚」(大本営発表)を売り上げたという歌手だ。


なお、次の次の記事では、オリコン1968年・1969年の歌手別売上枚数TOP30を公開します。


歌もうまく、パンチの効いた(パンチって語源は何だ?)独特の歌声・黛ジュンを見ていこう。



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◆黛ジュン・作品データ「乙女の祈り」


「一人GS」の真骨頂。かなり好きだ。


「乙女の祈り」~「天使の誘惑」~「夕月」3曲実写版
当時20歳くらいか。


 




黛ジュン「乙女の祈り」(3rd SINGLE)
作詞:なかにし礼
作曲:鈴木邦彦
編曲:鈴木邦彦
発売:1968/01/05
品番:CP-1012(東芝音楽工業)
オリコン最高位:2位
オリコン登場週数:18週(100位以内)
オリコン売上枚数:315,400枚



◇「乙女の祈り」チャートアクション


日付——-順位–累積売上 ※「累積売上」は、オリコン得点修正後のもの
1968/01/04 — 75 
1968/01/18 —  8 — 24,050枚 (1万枚突破)
1968/01/25 —  6 
1968/02/01 —  4 —  7.9万枚 (5万枚突破)
1968/02/08 —  3 — (10万枚突破)
1968/02/15 —  2 — (15万枚突破)
1968/02/22 —  8 
1968/02/26 —  8 — 21.1万枚 (20万枚突破)
1968/03/04 — 12 
1968/03/11 —  9 
1968/03/18 — 13 — 26.4万枚 (25万枚突破)
1968/03/25 — 15 
1968/04/01 — 22 
1968/04/08 — 27 
1968/04/15 — 36 — 30.2万枚 (30万枚突破)
1968/04/22 — 44 
1968/04/29 — 53 
1968/05/06 — 75 — 315,400枚 (最終売上)


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◆黛ジュン・作品データ「天使の誘惑」


1968年・第10回日本レコード大賞の「大賞」を受賞したこの曲、セールス的には他にも上回っている他者の作品は多数あるのだが、今にも通用するメロディーラインや、当時としては斬新的なアレンジ(推測)など、確かに当時の日本歌謡界の方向性を変える様な作品であり、ある意味「大賞」にふさわしいかもしれない。やっぱり「ひとさしゆび」の振り付けがポイントだなこれは。


1968年12月28日放送/レコード大賞開始10周年を記念した特別番組「10周年記念音楽会」
当時20歳。


アレンジが安っぽい。断然レコード盤(ステレオ)の方が聞き応えアリ!


ちなみに黛ジュンが「1968年以降」に最高セールスを記録したのは次の「夕月」である。しかしながら、「天使の誘惑」がレコード大賞を受賞したからか、その後のいわゆる「ナツメロ」番組でも、「天使の誘惑」が歌われることが多いようだ。以下、年を追って「天使の誘惑」を歌う映像を・・・


天使の誘惑(1987)
当時39歳くらい。


天使の誘惑(1999)
当時51歳くらい。見た目、かなり若い。


天使の誘惑(2008/10/21 国営チャンネル歌謡コンサート 「なかにし礼特選名曲集」)
当時60歳。さすがに老い感は否めないが、肌は若く(見える)、目元や頬の膨らみ具合、人差し指や顔の節々の表情などは、黛ジュンにそっくり。(本物だよ・・・)往年を彷彿させ、まだまだ若いと思いました。「ひとさしゆび」は健在。


天使の誘惑 ~ 松田聖子
「聖子ちゃんカット」時代なので1980年代前半くらいと思われるが、松田聖子がカバーして歌っている。違和感ないのが不思議だ。松田聖子の作品だとスルーしてもおかしくない。


天使の誘惑95(1995)
当時47歳くらい。これはやめてほしかったですな。(アレンジが)


 




黛ジュン「天使の誘惑」(4th SINGLE)第10回日本レコード大賞曲
作詞:なかにし礼
作曲:鈴木邦彦
編曲:鈴木邦彦
発売:1968/05/01
品番:CP-1027(東芝音楽工業)
オリコン最高位:3位
オリコン登場週数:27週(100位以内)
オリコン売上枚数:468,240枚



◇「天使の誘惑」チャートアクション
日付——-順位–累積売上 ※「累積売上」は、オリコン得点修正後のもの
1968/05/06 — 69 
1968/05/13 — 19 — 13,350枚 (1万枚突破)
1968/05/20 — 11 
1968/05/27 —  3 —  6.2万枚 (5万枚突破)
1968/06/03 —  4 
1968/06/10 —  4 
1968/06/17 —  3 
1968/06/24 —  3 — (20万枚突破)
1968/07/01 —  4 
1968/07/08 —  4 
1968/07/15 —  3 — 30.1万枚 (30万枚突破)
1968/07/22 —  7 
1968/07/29 —  6 
1968/08/05 —  9 
1968/08/12 —  9 
1968/08/19 — 12 — 40.6万枚 (40万枚突破)
1968/08/26 — 16 
1968/09/02 — 20 
1968/09/09 — 24 
1968/09/16 — 30 
1968/09/23 — 53 — 45.0万枚 (45万枚突破)
1968/09/30 — 80 
1968/10/07 –100 


1968/12/23 — 97 
1968/12/30 — 59 
1969/01/06 — 63 
1969/01/13 — 77 — 468,240枚 (最終売上)


 


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◆黛ジュン・作品データ「夕月」


黛ジュンの中では、「恋のハレルヤ」か、この「夕月」がトップセールスに入ると思われます。「夕月」に関しては、初登場でトップ10入りを果たすという、当時としては「タイガース」しか成しえなかった快挙を達成し、黛ジュン人気がすさまじいものであったことを証明しています。しかし不運にも7週連続2位止まりで、結局1位に到達することは出来ませんでした。その1位を阻んでいたのが、オバケヒットのピンキラ「恋の季節」だったのだ。残念。


なお、この曲の「作曲・編曲」を担当している 三木たかし は、黛ジュン の実兄です。


<三木たかし>
1945年1月12日生まれ。歌謡ポップス界から演歌界まで多大な貢献を果たす。


(代表曲一例)
わらべ めだかの兄妹
わらべ もしも明日が…。
石川さゆり 津軽海峡・冬景色(作詞:阿久悠)
テレサ・テン つぐない
テレサ・テン 愛人
テレサ・テン 時の流れに身をまかせ
テレサ・テン 別れの予感
バーズ ふり向くな君は美しい(作詞:阿久悠)※全国高等学校サッカー選手権大会テーマ曲
森山良子 禁じられた恋(作詞:山上路夫)
浅丘ルリ子 愛の化石
西川峰子 あなたにあげる
あべ静江 コーヒーショップで(作詞:阿久悠)
五木ひろし 追憶(作詞:阿久悠)
伊藤咲子 きみ可愛いね(作詞:阿久悠)
岩崎宏美 思秋期(作詞:阿久悠)
柏原芳恵 待ちくたびれてヨコハマ
西城秀樹 君よ抱かれて熱くなれ(作詞:阿久悠)
西城秀樹 ブーメランストリート(作詞:阿久悠)
坂本冬美 夜桜お七
山口百恵 愛に走って


<これもなのか・・・>
島本須美 涙の中の悲しみよ
島本須美 水色の空へ


 


夕月<NETテレビ(テレビ朝日)・歌のグランドヒットショー>
当時20歳。


 




黛ジュン「夕月」(5th SINGLE)
作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし
編曲:三木たかし
発売:1968/09/10
品番:CP-1031(東芝音楽工業)
オリコン最高位:2位
オリコン登場週数:25週(100位以内)
オリコン売上枚数:662,730枚


◇「夕月」チャートアクション


日付——-順位–累積売上 ※「累積売上」は、オリコン得点修正後のもの
1968/09/23 —  6 —  2.5万枚 (1万枚突破)
1968/09/30 —  3 
1968/10/07 —  2 — 11.0万枚 (10万枚突破)
1968/10/14 —  2 
1968/10/21 —  2 — 20.0万枚 (20万枚突破)
1968/10/28 —  2 
1968/11/04 —  2 
1968/11/11 —  2 — 33.5万枚 (30万枚突破)
1968/11/18 —  2 
1968/11/25 —  3 — 42.0万枚 (40万枚突破)
1968/12/02 —  3 
1968/12/09 —  4 
1968/12/16 —  5 — 51.7万枚 (50万枚突破)
1968/12/23 —  8 
1968/12/30 —  8 
1969/01/06 — 11 
1969/01/13 — 11 
1969/01/20 — 14 — 61.0万枚 (60万枚突破)
1969/01/27 — 12 
1969/02/03 — 17 
1969/02/10 — 34 
1969/02/17 — 42 — 65.2万枚 (65万枚突破)
1969/02/24 — 48 
1969/03/03 — 64 
1969/03/10 — 89 — 662,730枚 (最終売上)



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うーん、欲しくなってきた・・・


~天使の誘惑~ 黛ジュン・コレクション
http://familyclub.ne.jp/info/mayuzumi/


紙ジャケ盤CDも出てるんだよね・・・


「黛ジュン」をもっともっと再評価しよう。

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